「RTX 4090」とは?
『GeForce RTX 4090』は2022年10月22日に発売された、NVIDIAのハイエンド、フラグシップ級のグラフィックボードです。「RTX 4090」は「RTX 40シリーズ」に属し、その中でも最高スペッククラスのGPUになります。気になる点・注目ポイントとしては、以下3点が挙げられます。
上記内容を中心に「RTX 4080 SUPER」の特徴について、順に確認していきましょう。
仕様・スペック
では、まず「RTX 4080 SUPER」の仕様・スペックを表で確認しましょう。また、今回は比較対象として、「RTX 4080」「RTX 4090」の2つのモデルについても確認します。スペック、価格については以下の通りです。
RTX 4090 | RTX 4080 SUPER | RTX 3090Ti | RTX 3090 | |
---|---|---|---|---|
CUDAコア | 16384 | 10240 | 10752 | 10496 |
ベースクロック | 2.23 GHz | 2.29 GHz | 1.56 GHz | 1.70 GHz |
ブーストクロック | 2.52 GHz | 2.55 GHz | 1.86 GHz | 1.40 GHz |
Shader | Ada Lovelace 82.6 TFlops | Ada Lovelace 52.2 TFlops | Ampere 40 TFLOPS | Ampere 36 TFLOPS |
RT | 第3世代 191 TFLOPS | 第3世代 121 TFLOPS | 第2世代 78 TFLOPS | 第2世代 70 TFLOPS |
Tensor | 第4世代 1321 AI TOPS | 第4世代 836 AI TOPS | 第3世代 320 AI TOPS | 第3世代 285 AI TOPS |
メモリ | 24GB GDDR6X | 16GB GDDR6X | 24GB GDDR6X | 24 GB GDDR6X |
メモリパス幅 | 384 bit | 256 bit | 384bit | 384bit |
TDP | 450W | 320W | 450W | 350W |
公式価格 | \ 298,000 | ¥162,800 | ¥ 327,800 | ¥ 229,800 |
実販売価格 | 約29.0万円~ | 約17.3万円~ | 約28.0万円~(※) | 約24.8万円~(※) |
発売日 | 2022/10/12 | 2024/01/31 | 2022/03/29 | 2020/09/02 |
性能比較
「RTX 4090」は、CUDAコア数が16384、ベースクロックが2.23 GHz、ブーストクロックが2.52 GHzと、前シリーズである「RTX 3090系」よりも圧倒的に優れたスペックを誇ります。Shaderスコアも82.6 TFlopsと高く、レイトレーシング性能も191 TFLOPSと向上しています。これにより、「RTX 30シリーズ」とは比べ物にならない程のスペックを高いスペックをしていることが分かります。
また、「RTX 4080 SUPER」とも全体的に大きく性能が離れています。ベース、ブーストクロックこそ「RTX 4080 SUPER」の方が若干高いですが、CUDAコア数差やメモリ面で大きく性能差が出ています。これにより、「RTX 4090」は、性能順では「RTX 4080 SUPER」の次に位置する商品ではありますが、性能では「RTX 4090」の1強状態と言えるでしょう。
価格・コストパフォーマンス
先の「RTX 40シリーズ」2モデルの性能差は、実際の販売価格にも表れています。公式価格では「RTX 4080 SUPER」は162,800円、「RTX 4090」は298,000円です。性能の離れた2つの商品は、実販売価格でも、大きい価格差を示しています。
では、コストパフォーマンスの観点でどの商品良いか、”Shader”と”販売価格”で計算した結果を確認してみましょう。
RTX 4090 | RTX 4080 SUPER | RTX 4080 | |
---|---|---|---|
Shader | 82.6 TFlops | 52.2 TFlops | 48.8 TFlops |
実販売価格 | 約29.0万円~ | 約17.3万円~ | 約17.0万円~ |
Shader÷ 実販売価格 | 約2.845TFlops/万円 | 約3.014TFlops/万円 | 約2.871TFlops/万円 |
上記の表は、「Shaders÷実販売価格」に基づいて算出された性能と価格のコストパフォーマンスを示しています。これらの値は、価格に対するShadersの比率を表しており、高い値が優れたコストパフォーマンスを意味します。
これらの値を総合的に考慮すると、「RTX 4080SUPER」の方が、コストパフォーマンスの面で優れた選択肢となります。ただし、「RTX 4090」がコストパフォーマンスが悪いわけではありません。例として、「RTX 4090」と近い時期に発売された「RTX 4080」の「Shaders÷実販売価格」と比較すると、近い数値を示していることが分かります。
今回の計算によるコストパフォーマンスは、投稿時点の「Shaders÷実販売価格」にのみ基づいて算出された単一の要素です。他スコアや機能面、個々のユーザーのニーズを考慮したものではなく、時期によっては変わる可能性もある点にご注意ください。
機能面
最後に、メモリ容量やメモリパス幅、TDP(熱設計電力)などの機能面について比較していきます。
「RTX 4090」は、24GBのGDDR6Xメモリと384 bitのメモリパス幅、450WのTDPを搭載しています。性能が高い分、TDPに関しても上昇しています。PCの構成を考える場合は、「RTX 4080 SUPER」を搭載するか「RTX 4090」を搭載するかで、CPUだけでなく電源ユニットの性能も考える必要があるでしょう。
前シリーズである「RTX 3090系」と比べると、メモリ関連やTDPなどでは変化を感じにくい点もあります。その為、前世代「RTX 30シリーズ」搭載のハイエンドPCからのアップグレードにおいて、電源アップグレードの必要性は薄いです。しかし、Shaderの性能差が2倍程ある点を踏まえると、性能に対する電力コスパはかなり上がっていると言えるでしょう。
比較して優秀なモデルは?
これらのハイエンドGPUの性能、価格、機能を考慮すると、ハイエンドGPUの「RTX 40シリーズ」は前世代よりかなり優秀です。しかし、「RTX 4090」と「RTX 4080 SUPER」では、どちらかが抜きでて優秀というものなく、それぞれのモデルに魅力があります。その為、最適な選択肢は個人のニーズによって異なるでしょう。
最終的な選択は、PC構成や予算、ゲームや作業の要件、将来のアップグレードの可能性などを考慮しながら行うべきです。各モデルの特徴や性能を詳しく比較し、自身のニーズに最もマッチするモデルを選ぶことが重要でしょう。
おすすめのモデルは?
ハイエンドのGPUモデルでどれが良いか分からないという場合、基本的には「RTX 4080 SUPER」をおすすめします。理由としては以下の通りです。
「RTX 4080 SUPER」は、「RTX4080」や「RTX 4090」に比べて、1年以上新しいモデルです。この差はメーカーの調整・改善や、保証や対応の期間にも影響する可能性があります。また、コストパフォーマンス的にも、「RTX 4080 SUPER」が、「RTX4080」や「RTX 4090」に比べて優れています(時期により変わる可能性有)。コストパフォーマンスが他2種のGPUに大きく劣らない限り、ただハイエンドGPUを求めているだけなら、他を選ぶ理由はあまりないでしょう。
次点では「RTX 4090」を選ぶことが良いと思われます。特に「とにかく性能の高いPCを組みたい!」という明確な理由がある場合、「RTX 4090」一択となります。
また、ゲーム以外での使用用途も考慮する必要がある場合も、「RTX 4090」が選択肢に入るでしょう。ハイエンド級のグラフィックカードが必要な使用用途では、一般的ではない高負荷な作業や高速な処理が求められることが多いです。そのような場合には、性能が高ければ高いほど良い結果が期待できます。また、ハイエンドグラフィックカードに悩む人は予算にもある程度余裕があることが多く、予算に余裕があるならば、Shaderスコアで際立っている「RTX 4090」を選択することが適切な場合があると個人的には思います。
ゲーミングPCにおいて
「RTX 4090」はGPUとして高い性能を持つ故、CPUにもかなりのスペックが求められます。その為、「RTX 4090」は、ゲーミングPCにおいてフラグシップ級のPC(40万円以上)に多く採用されます。
「RTX 4090」搭載のゲーミングPCの価格帯は、50万円前後~60万円前後のハイエンドPCが多いです。CPUに「Intel Core i7」「Intel Core i9」搭載が求められるため、必然的にゲーミングPCの価格も高くなります。CPUに高い性能を求められる為、PC構成上ゲームだけでなく、あらゆる作業や処理に強くなりやすいのが特徴です。
ゲームプレイにおいて
ゲームプレイでは、高い性能のおかげで基本どんなゲームも快適にプレイ出来ます。また、ゲーム設定においても、360fpsやWQHD,4Kなど、数多くの設定でゲームを楽しめる性能です。
その為、RPG系などの高いグラフィックスを要するゲームから、シューティング系などの高いフレームレートを要するゲームまで、様々なゲームで高いパフォーマンスが期待出来るでしょう。
どういった人におすすめか
以上を踏まえて、どういった人におすすめかについてですが、「とにかく高い性能のゲーミングPCが欲しい人、悩んでいる人」におすすめです。また「予算にかなり余裕がある人」も選択肢に入るでしょう。
「RTX 4090」は、ハイエンドGPUの中で、性能、価格、機能面で圧倒的なスペックを誇ります。その為、性能だけを追求する場合、「RTX 4090」搭載PCが最有力となります。「RTX 4080 SUPER」は十分良いGPUですが、性能だけを追求する場合、「RTX 4080 SUPER」では妥協と言わざるを得ないでしょう。
どういった人はおすすめじゃない?
逆に、「とりあえずハイエンドPCが欲しい」「良い環境でゲームプレイしたい」などといった場合、「RTX 4090」はおすすめではないです。
「とりあえずハイエンドPCが欲しい」といった場合、「RTX 4080 SUPER」の方が良い選択肢となります。「RTX 4080 SUPER」は、性能では「RTX 4090」に劣る商品ではありますが、先程紹介した通り「RTX 4080 SUPER」の方が多くの人におすすめできるメリットがあるGPUです。「性能を最重視している」「お金に余裕がかなりある」などの特別な理由が無ければ、「RTX 4090」はあまりおすすめしません。
また、「良い環境でゲームプレイしたい」という場合、多くの場合で「RTX 4070Ti」や「RTX 4070Ti SUPER」でも十分です。人気タイトルなど、メジャーPCゲーム、コンシューマー版が出ているゲーム等を快適にプレイする場合、「RTX 4080 SUPER」や「RTX 4090」では性能を持て余す場面が出てきます。一般的なゲームでの使用のみなら、「RTX 4070Ti系」で十分対応できる場面が多いでしょう。
最後に
最後に総括としては以下の通りです。
少し長くなりましたがいかがでしたでしょうか。ゲーミングPCに悩む時間を遊ぶ時間に使った方が有意義かなと思いますので、この記事で悩む時間を短縮できれば幸いです。ゲーミングPCを購入する際の判断材料になったなら嬉しく思います。