NVIDIAのハイエンドGPU『GeForce RTX 5080』がついに登場!GPUの注目ポイントや他ハイエンドGPUとの性能差を数値で徹底比較し、ゲーミングやクリエイティブ用途でどの程度の進化を遂げたのか詳しく解説します。
CUDAコアの増加や新世代RTコア・Tensorコアの性能向上、GDDR7メモリの採用など、大きな注目を集める次世代GPUを他モデルと徹底比較・確認していきます!
RTX 5080は何が変わったか
NVIDIAの最新世代GPU「RTX 5080」は、次世代アーキテクチャを採用した、「RTX 50 シリーズ」のハイエンドグラフィックボードです。

RTX 50シリーズとなり、RTX 40シリーズとは性能面・機能面ともに大きく変化し、以下のような特徴が表れています。
性能面
RTX 50シリーズは、新しい「Blackwell」アーキテクチャを採用しています。前世代のRTX 40シリーズの「Ada Lovelace」アーキテクチャから技術的な進化を遂げており、これによりRTX 50シリーズは、RTX 40シリーズに比べ、性能面で大きな向上がされています。
性能面での変化は、特にAI性能やレイトレーシング性能において大きな変化が見られ、新たにGDDR7メモリを採用することで、データ転送速度の向上と電力効率の改善が図られています。より詳しい内容は、後に仕様・スペック詳細で数値を見て確認・比較を行います。
機能面
また、RTX 50シリーズはアーキテクチャ等の他に、機能面で最新の技術を搭載しています。
このようにRTX 50 シリーズは、前世代のRTX 40 シリーズに比べて、より先進的な技術を搭載し性能も向上しています。DLSSやAV1エンコードのような新技術に加え、PCIe 5.0やReflex 2のサポートなど、次世代のコンピュータ技術に対応しています。これにより、RTX 50 シリーズは、ゲームプレイやクリエイティブ作業、AI開発などさまざまな用途において高いパフォーマンスを提供します。
RTX 5080の仕様・スペック
RTX 50シリーズは、前述した「Blackwell」アーキテクチャを採用により、前世代のRTX 40シリーズと比較して大幅な性能向上を実現しています。特に、CUDAコア数の増加、RTコアやTensorコアの強化により、ゲーミングやクリエイティブ用途の処理能力が向上しました。
ここでは、RTX 5090、RTX 5080、RTX 5070 Ti、RTX 5070の各モデルについて、CUDAコア数、Shader、RTコア、Tensorコア、メモリ、メモリバス幅、TDPなどの主要スペックを確認、解説します。
CUDA コア数 | ベース クロック | ブース トクロック | Shader | RT | Tensor | メモリ容量 | メモリバス幅 | 消費電力 (TDP) | 価格 | 発売日 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
RTX 5090 | 21,760 | 2.01 GHz | 2.41 GHz | Blackwell 105 TFLOPS | 第4世代 318 TFLOPS | 第5世代 3352 AI TOPS | 32GB GDDR7 | 512-bit | 450W | ¥259,800 | 2025年1月30日 |
RTX 5080 | 10,752 | 2.30 GHz | 2.62 GHz | Blackwell 56 TFLOPS | 第4世代 171 TFLOPS | 第5世代 1801 AI TOPS | 16GB GDDR7 | 256-bit | 320W | ¥179,800 | 2025年1月30日 |
RTX 5070 Ti | 8,960 | 2.30 GHz | 2.45 GHz | Blackwell 44 TFLOPS | 第4世代 133 TFLOPS | 第5世代 1406 AI TOPS | 16GB GDDR7 | 256-bit | 285W | ¥139,800 | 2025年2月20日 |
RTX 5070 | 6,144 | 2.16 GHz | 2.51 GHz | Blackwell 31 TFLOPS | 第4世代 94 TFLOPS | 第5世代 988 AI TOPS | 12GB GDDR7 | 192-bit | 250W | ¥99,800 | 2025年3月5日 |
CUDAコアとシェーダー性能
CUDAコアは、GPUの並列処理を担当するユニットであり、その数が増加することで計算能力が向上します。RTX 50シリーズでは、各モデルでCUDAコア数が前世代のRTX 40シリーズと比較して増加しており、より高度なグラフィック処理やAI演算が可能となっています。特に、上位モデルでは大幅な増強が見られ、4Kゲーミングや高負荷なクリエイティブ作業においてパフォーマンス向上が期待できます。
RTコア(レイトレーシング性能)
RTX 50シリーズは、第4世代RTコアを搭載しており、リアルタイムレイトレーシングの処理速度が向上しています。RTコアは、光の反射や影の表現をリアルに描写するために必要なユニットであり、高解像度でのリアルタイムレンダリングにおいて重要な役割を果たします。RTX 50シリーズでは、RTX 40シリーズの第3世代RTコアと比較して、さらに高度なレイトレーシング処理が可能になっています。

TensorコアとAI処理能力
RTX 50シリーズは、第5世代Tensorコアを搭載しており、AI処理能力が向上しています。Tensorコアは、NVIDIAのAI技術であるDLSS(Deep Learning Super Sampling)やフレーム生成機能の処理を担っており、ゲームのフレームレート向上や高解像度化に貢献します。RTX 50シリーズでは、新世代のDLSS 4に対応し、超解像度やレイ再構成技術がさらに強化されています。
メモリとメモリバス幅
RTX 50シリーズでは、ビデオメモリ(VRAM)の容量とメモリバス幅も強化されています。これにより、大量のデータを処理するゲームや映像制作、3Dレンダリングなどの作業において、より高速なデータ転送が可能になります。最新のGDDR7メモリが採用され、メモリバス幅の向上によってデータ転送速度が改善されるでしょう。
消費電力(TDP)と電力効率
RTX 50シリーズでは、消費電力(TDP)も重要なポイントとなります。RTX 50シリーズでは、最新のプロセス技術を採用することで、消費電力(TDP)を抑えつつ高いパフォーマンスを実現しています。
RTX 5090は、RTX 4090と同等、またはそれ以上の電力を必要とすると予測されますが、その分パフォーマンスの向上が期待できます。一方で、RTX 5080やRTX 5070は、省電力化と性能向上のバランスを取る形になり、前世代よりも効率的な電力管理が可能になるでしょう。特に、最新の製造プロセスを採用することで、消費電力あたりのパフォーマンス(ワットパフォーマンス)が向上し、高性能を維持しつつ発熱を抑える設計が施されると考えられます。
RTX 5080を他モデルと比較
RTX 5080は、前世代のRTX 4080 SUPERや、RTX 4080から性能向上を遂げたモデルです。特にAI性能(Tensorコア)、レイトレーシング性能(RTコア)が強化されており、AIを活用したDLSS 4による超解像度やフレーム生成、レイトレーシングを多用するゲームにおいて、より快適なプレイ環境を提供します。ここでは、各モデルのスペックを数値的に比較しながら、RTX 5080の優位性を解説します。
CUDA コア数 | ベース クロック | ブースト クロック | Shader | RT | Tensor | メモリ容量 | メモリバス幅 | 消費電力 (TDP) | 価格 | 発売日 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
RTX 5080 | 10,752 | 2.30 GHz | 2.62 GHz | Blackwell 56 TFLOPS | 第4世代 171 TFLOPS | 第5世代 1801 AI TOPS | 16GB GDDR7 | 256-bit | 320W | ¥179,800 | 2025年1月30日 |
RTX 4080 SUPER | 10,240 | 2.29 GHz | 2.55 GHz | Ada Lovelace 52 TFLOPS | 第3世代 121 TFLOPS | 第4世代 836 AI TOPS | 16GB GDDR6X | 256-bit | 340W | ¥199,800 | 2023年12月10日 |
RTX 4080 | 9,728 | 2.21 GHz | 2.51 GHz | Ada Lovelace 49 TFLOPS | 第3世代 113 TFLOPS | 第4世代 780 AI TOPS | 16GB GDDR6X | 256-bit | 320W | ¥179,800 | 2022年11月16日 |
RTX 4070 Ti SUPER | 8,448 | 2.34 GHz | 2.61 GHz | Ada Lovelace 44 TFLOPS | 第3世代 102 TFLOPS | 第4世代 706 AI TOPS | 16GB GDDR6X | 256-bit | 285W | ¥139,800 | 2024年2月15日 |
CUDAコア数とシェーダー性能の比較
CUDAコア数は、並列処理を行うユニットの数を示し、一般的に多いほど計算能力が向上します。RTX 5080は10,752基のCUDAコアを搭載しており、RTX 4080 SUPER(10,240基)よりも5%増加、RTX 4080(9,728基)よりも約11%増加しています。シェーダー性能も向上しており、RTX 5080の単精度浮動小数点演算性能(Shader TFLOPS)は56 TFLOPSに達し、RTX 4080 SUPER(52 TFLOPS)やRTX 4080(49 TFLOPS)を上回っています。これにより、ゲームや3Dレンダリングなどの計算負荷の高い処理において、より高速な描画が可能になります。
レイトレーシング性能(RTコア)の進化
RTX 5080には第4世代RTコアが搭載されており、RTX 40シリーズの第3世代RTコアと比較して、レイトレーシング性能が強化されています。RTコアの性能は、リアルタイムでの光の反射や影の表現に影響を与える重要な要素であり、RTX 5080のRTコアの処理性能は171 TFLOPSに達します。これはRTX 4080 SUPER(121 TFLOPS)よりも約41%の向上、RTX 4080(113 TFLOPS)と比較すると約51%の向上を果たしており、最新のAAAタイトルでレイトレーシングをフル活用した高画質設定でもスムーズなフレームレートを維持できる可能性が高くなります。
AI性能(Tensorコア)の向上
RTX 5080は、第5世代Tensorコアを搭載しており、AI演算性能が大幅に強化されています。特に、NVIDIAのAI技術であるDLSS 4を最大限に活用することで、より高解像度で滑らかなフレーム生成が可能になります。AI処理能力を示す「AI TOPS」の値を比較すると、RTX 5080は1801 AI TOPSを記録しており、RTX 4080 SUPER(836 AI TOPS)よりも約2.15倍、RTX 4080(780 AI TOPS)よりも約2.3倍の処理能力を誇ります。この大幅な向上により、AIによるフレーム補間技術や超解像度技術がより効果的に動作し、高リフレッシュレートモニターを活かした滑らかな映像表現が可能になります。

メモリとメモリバス幅
RTX 5080は、RTX 40シリーズと同じく16GBのVRAMを搭載していますが、メモリの種類がGDDR6XからGDDR7へと進化しています。これにより、メモリの帯域幅が向上し、大量のデータ処理が必要なゲームや動画編集、3Dモデリングなどの用途でさらなる高速化が期待できます。メモリバス幅は256-bitとRTX 40シリーズと同じですが、より高速なGDDR7の採用によって、データ転送速度が改善されている点がポイントです。
消費電力(TDP)
RTX 5080の消費電力(TDP)は320Wであり、RTX 4080と同じですが、RTX 4080 SUPERの340Wと比較すると約6%の省電力化が図られています。これは、NVIDIAが新しいプロセス技術を採用し、電力効率を向上させた結果と考えられます。
まとめ
RTX 5080は、RTX 4080 SUPERやRTX 4080と比較して、CUDAコアの増加、RTコアの進化、Tensorコアの大幅な性能向上により、全体的なパフォーマンスが向上しています。特に、AI処理能力が約2倍以上に強化されている点は、DLSS 4の恩恵を最大限に受けるための重要な要素となります。また、RTX 4080 SUPERと比較して消費電力が低く、価格も抑えられているため、高性能GPUを求めるユーザーにとって、非常に魅力的な選択肢となるでしょ
ハイエンドGPUの選択
ハイエンドGPUは、単純に「これが最も優れている」と決められるものではなく、それぞれのモデルに異なる魅力があります。性能、用途、予算などによって、最適な選択肢は人それぞれ異なります。そのため、RTX 5080が本当に必要なのかを見極めることが重要です。
ここでは、RTX 5080をおすすめな人と、逆におすすめしない人について詳しく解説します。
おすすめの人
RTX 5080は、ハイエンドGPUとして優れたバランスを持ち、以下のようなユーザーに最適です。
高性能・良環境を求めるゲーマー
RTX 5080は、最新ゲームを高いフレームレートで楽しみたい人に適しています。
- 1440pや4K解像度で快適にプレイしたい
- レイトレーシングやDLSSを活用した美しい映像でゲームを楽しみたい
- 高リフレッシュレートのモニターに対応できるパワーを求める
長く現役で使いたい人
RTX 5080は、最新技術が詰め込まれたGPUであり、長期間にわたって高いパフォーマンスを発揮できるモデルです。
- 数年後のゲームやソフトウェアの進化にも対応できる性能を確保したい
- GPUの買い替え頻度を減らし、長期間安定して使いたい
ある程度の価格を出せる人
RTX 5080は、最上位モデルではないものの、それなりに高額なGPUです。コストよりも性能を重視する人に適しています。
- 最高性能のRTX 5090ほどは必要ないが、高スペックを求めている
- RTX 4070や4060では物足りないと感じる
- 価格と性能のバランスが取れたGPUを探している
おすすめしない人
逆に、以下のような人にはRTX 5080はおすすめできません。
普段使いでPCに高負荷がかからない人
RTX 5080は、ゲーミングやクリエイティブ用途での高負荷作業に最適化されています。普段の使い方が軽い場合は、よりコスパの良いモデルを選ぶ方が合理的です。
- 動画視聴やインターネット、オフィス作業がメイン
- 軽いPCゲームをプレイする程度
現状で1番良い環境を組みたい人
RTX 5080は高性能ですが、フラグシップモデルであるRTX 5090ほどの圧倒的な性能は持ちません。
- 最高スペックを求めるならRTX 5090が最適
- ゲーミングでもトップクラスのパフォーマンスを求めるならRTX 5090が必要
コストパフォーマンスを重視する人
RTX 5080は高性能ですが、ミドルレンジのRTX 4070や4060と比較するとコストパフォーマンスの面では劣る場合があります。
- コスパ重視ならRTX 4070や4060の方が適している
- そこまで高いスペックは必要ないが、快適にゲームをプレイしたい
まとめ
RTX 5080は、バランスの取れたハイエンドGPUとして、多くのゲーマーやクリエイターにとって魅力的な選択肢です。ただし、最上位の性能を求める場合や、コストを重視する場合は、他のモデルも検討する価値があります。自分の用途や予算に合わせて、最適なGPUを選びましょう。
RTX 5080は、高いパワーを誇るハイエンドGPUですが、すべての人にとって最適な選択肢とは限りません。自分の用途や予算に合わせて、適切なGPUを選ぶことが大切です。最高の性能を求めるならRTX 5090、コストパフォーマンスや用途を考慮するならRTX 5070やRTX 40シリーズを探すという選択肢もあるでしょう。
最終的な選択は、PC構成や予算、ゲームや作業の要件、将来のアップグレードの可能性などを考慮しながら行うべきです。各モデルの特徴や性能を詳しく比較し、自身のニーズに最もマッチするモデルを選ぶことが重要でしょう。
最後に
RTX 5080は、新しい「Blackwell」アーキテクチャを採用し、前世代のRTX 40シリーズと比較して、CUDAコア数の増加、RTコア・Tensorコアの進化、GDDR7メモリの採用といった大幅な性能向上を遂げています。特に、AI処理性能の強化によるDLSSの進化や、レイトレーシング性能の向上は、次世代ゲームやクリエイティブ用途において大きな恩恵をもたらします。
とはいえ、RTX 50シリーズの価格は高めに設定されているため、購入を検討する際には、自身の用途や予算に合わせて適切なモデルを選ぶことが重要です。特に、ゲームを快適に楽しみたい方や、高解像度・高リフレッシュレート環境を求める方には、RTX 5080などのハイエンドグラフィックボードは魅力的な選択肢の1つでしょう。
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Source:
https://www.nvidia.com/ja-jp/geforce/graphics-cards/50-series/
https://www.nvidia.com/ja-jp/geforce/graphics-cards/40-series/