NVIDIAのハイエンドGPU『GeForce RTX 5070Ti』がついに登場!GPUの注目ポイントや他ハイエンドGPUとの性能差を数値で徹底比較し、ゲーミングやクリエイティブ用途でどの程度の進化を遂げたのか詳しく解説します。
CUDAコアの増加や新世代RTコア・Tensorコアの性能向上、GDDR7メモリの採用など、大きな注目を集める次世代GPUを他モデルと徹底比較・確認していきます!
RTX 5070 Tiは何が変わったか
NVIDIAの最新世代GPU「RTX 5070Ti」は、次世代アーキテクチャを採用した、「RTX 50 シリーズ」のハイエンド~ミドルハイエンドに相当するグラフィックボードです。

RTX 50シリーズとなり、RTX 40シリーズとは性能面・機能面ともに大きく変化し、以下のような特徴が表れています。
性能面
RTX 50シリーズは、新しい「Blackwell」アーキテクチャを採用しています。前世代のRTX 40シリーズの「Ada Lovelace」アーキテクチャから技術的な進化を遂げており、これによりRTX 50シリーズは、RTX 40シリーズに比べ、性能面で大きな向上がされています。
性能面での変化は、特にAI性能やレイトレーシング性能において大きな変化が見られ、新たにGDDR7メモリを採用することで、データ転送速度の向上と電力効率の改善が図られています。より詳しい内容は、後に仕様・スペック詳細で数値を見て確認・比較を行います。
機能面
また、RTX 50シリーズはアーキテクチャ等の他に、機能面で最新の技術を搭載しています。
このようにRTX 50 シリーズは、前世代のRTX 40 シリーズに比べて、より先進的な技術を搭載し性能も向上しています。DLSSやAV1エンコードのような新技術に加え、PCIe 5.0やReflex 2のサポートなど、次世代のコンピュータ技術に対応しています。これにより、RTX 50 シリーズは、ゲームプレイやクリエイティブ作業、AI開発などさまざまな用途において高いパフォーマンスを提供します。
RTX 5070 Tiの仕様・スペック
RTX 50シリーズは、前述した「Blackwell」アーキテクチャを採用により、前世代のRTX 40シリーズと比較して大幅な性能向上を実現しています。特に、CUDAコア数の増加、RTコアやTensorコアの強化により、ゲーミングやクリエイティブ用途の処理能力が向上しました。
ここでは、RTX 5090、RTX 5080、RTX 5070 Ti、RTX 5070の各モデルについて、CUDAコア数、Shader、RTコア、Tensorコア、メモリ、メモリバス幅、TDPなどの主要スペックを確認、解説します。
CUDA コア数 | ベース クロック | ブース トクロック | Shader | RT | Tensor | メモリ容量 | メモリバス幅 | 消費電力 (TDP) | 価格 | 発売日 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
RTX 5090 | 21,760 | 2.01 GHz | 2.41 GHz | Blackwell 105 TFLOPS | 第4世代 318 TFLOPS | 第5世代 3352 AI TOPS | 32GB GDDR7 | 512-bit | 450W | ¥259,800 | 2025年1月30日 |
RTX 5080 | 10,752 | 2.30 GHz | 2.62 GHz | Blackwell 56 TFLOPS | 第4世代 171 TFLOPS | 第5世代 1801 AI TOPS | 16GB GDDR7 | 256-bit | 320W | ¥179,800 | 2025年1月30日 |
RTX 5070 Ti | 8,960 | 2.30 GHz | 2.45 GHz | Blackwell 44 TFLOPS | 第4世代 133 TFLOPS | 第5世代 1406 AI TOPS | 16GB GDDR7 | 256-bit | 285W | ¥139,800 | 2025年2月20日 |
RTX 5070 | 6,144 | 2.16 GHz | 2.51 GHz | Blackwell 31 TFLOPS | 第4世代 94 TFLOPS | 第5世代 988 AI TOPS | 12GB GDDR7 | 192-bit | 250W | ¥99,800 | 2025年3月5日 |
CUDAコアとシェーダー性能
CUDAコアは、GPUの並列処理を担当するユニットであり、その数が増加することで計算能力が向上します。RTX 50シリーズでは、各モデルでCUDAコア数が前世代のRTX 40シリーズと比較して増加しており、より高度なグラフィック処理やAI演算が可能となっています。特に、上位モデルでは大幅な増強が見られ、4Kゲーミングや高負荷なクリエイティブ作業においてパフォーマンス向上が期待できます。
RTコア(レイトレーシング性能)
RTX 50シリーズは、第4世代RTコアを搭載しており、リアルタイムレイトレーシングの処理速度が向上しています。RTコアは、光の反射や影の表現をリアルに描写するために必要なユニットであり、高解像度でのリアルタイムレンダリングにおいて重要な役割を果たします。RTX 50シリーズでは、RTX 40シリーズの第3世代RTコアと比較して、さらに高度なレイトレーシング処理が可能になっています。

TensorコアとAI処理能力
RTX 50シリーズは、第5世代Tensorコアを搭載しており、AI処理能力が向上しています。Tensorコアは、NVIDIAのAI技術であるDLSS(Deep Learning Super Sampling)やフレーム生成機能の処理を担っており、ゲームのフレームレート向上や高解像度化に貢献します。RTX 50シリーズでは、新世代のDLSS 4に対応し、超解像度やレイ再構成技術がさらに強化されています。
メモリとメモリバス幅
RTX 50シリーズでは、ビデオメモリ(VRAM)の容量とメモリバス幅も強化されています。これにより、大量のデータを処理するゲームや映像制作、3Dレンダリングなどの作業において、より高速なデータ転送が可能になります。最新のGDDR7メモリが採用され、メモリバス幅の向上によってデータ転送速度が改善されるでしょう。
消費電力(TDP)と電力効率
RTX 50シリーズでは、消費電力(TDP)も重要なポイントとなります。RTX 50シリーズでは、最新のプロセス技術を採用することで、消費電力(TDP)を抑えつつ高いパフォーマンスを実現しています。
RTX 5090は、RTX 4090と同等、またはそれ以上の電力を必要とすると予測されますが、その分パフォーマンスの向上が期待できます。一方で、RTX 5080やRTX 5070は、省電力化と性能向上のバランスを取る形になり、前世代よりも効率的な電力管理が可能になるでしょう。特に、最新の製造プロセスを採用することで、消費電力あたりのパフォーマンス(ワットパフォーマンス)が向上し、高性能を維持しつつ発熱を抑える設計が施されると考えられます。
他モデルと比較
RTX 5070 Tiは、前世代の上位モデルであるRTX 4080やRTX 4070 Ti SUPERと比較して、コストパフォーマンスに優れた高性能GPUとして登場しました。CUDAコア数やRTコアの世代アップ、Tensorコアの大幅な進化など、AIやレイトレーシングに特化した機能が強化されており、ゲーミングだけでなくよりクリエイティブ用途にも適した選択肢となっています。ここでは、RTX 5070 TiとRTX 4080、RTX 4070 Ti SUPER、RTX 4070 Tiを詳細に比較し、その性能差を確認します。
CUDA コア数 | ベース クロック | ブースト クロック | Shader | RT | Tensor | メモリ容量 | メモリバス幅 | 消費電力 (TDP) | 価格 | 発売日 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
RTX 5070 Ti | 8,960 | 2.30 GHz | 2.45 GHz | Blackwell 44 TFLOPS | 第4世代 133 TFLOPS | 第5世代 1406 AI TOPS | 16GB GDDR7 | 256-bit | 285W | ¥139,800 | 2025年2月20日 |
RTX 4080 | 9,728 | 2.21 GHz | 2.51 GHz | Ada Lovelace 49 TFLOPS | 第3世代 113 TFLOPS | 第4世代 780 AI TOPS | 16GB GDDR6X | 256-bit | 320W | ¥179,800 | 2022年11月16日 |
RTX 4070 Ti SUPER | 8,448 | 2.34 GHz | 2.61 GHz | Ada Lovelace 44 TFLOPS | 第3世代 102 TFLOPS | 第4世代 706 AI TOPS | 16GB GDDR6X | 256-bit | 285W | ¥139,800 | 2024年2月15日 |
RTX 4070 Ti | 7,680 | 2.31 GHz | 2.61 GHz | Ada Lovelace 40 TFLOPS | 第3世代 93 TFLOPS | 第4世代 641 AI TOPS | 12GB GDDR6X | 192-bit | 285W | ¥129,800 | 2023年1月5日 |
CUDAコア数とシェーダー性能の比較
RTX 5070 TiのCUDAコア数は8,960基で、RTX 4080の9,728基よりもやや少ないものの、RTX 4070 Ti SUPERの8,448基やRTX 4070 Tiの7,680基と比較すると優位なスペックとなっています。シェーダー演算性能を示す単精度浮動小数点演算(Shader TFLOPS)の数値を比較すると、RTX 5070 Tiは44 TFLOPSとなっており、RTX 4080の49 TFLOPSには及ばないものの、RTX 4070 Ti SUPERと同じ水準であり、RTX 4070 Tiの40 TFLOPSよりは高い性能を誇ります。特に、RTX 4070 Tiシリーズと比較すると、次世代アーキテクチャの採用による最適化が加わることで、実際のパフォーマンスではさらなる向上が期待できます。
レイトレーシング(RTコア)性能の比較
RTX 5070 Tiは、第4世代RTコアを搭載しており、RTX 4080やRTX 4070 Ti SUPERに採用されている第3世代RTコアよりも性能が向上しています。レイトレーシング性能を示すRT TFLOPSの数値を見ると、RTX 5070 Tiは133 TFLOPSと、RTX 4080の113 TFLOPSよりも高い数値を記録しており、RTX 4070 Ti SUPER(102 TFLOPS)やRTX 4070 Ti(93 TFLOPS)と比較すると大幅に優れています。これは、RTX 5070 Tiがレイトレーシングを多用するゲームやリアルタイムレンダリングにおいて、より滑らかなフレームレートを実現できることを意味します。
AI処理能力(Tensorコア)の進化
RTX 5070 Tiに搭載されている第5世代Tensorコアは、AIによる画像処理やアップスケーリング、フレーム生成技術をさらに強化しています。AI演算性能を示す「AI TOPS」の値を見ると、RTX 5070 Tiは1,406 AI TOPSを記録し、RTX 4080の780 AI TOPSと比較すると約1.8倍の性能向上が見られます。また、RTX 4070 Ti SUPERの706 AI TOPSやRTX 4070 Tiの641 AI TOPSと比較すると、2倍以上の性能差があり、最新のDLSS 4技術を活用することで、4K解像度のゲームプレイ時においてもフレームレート向上が期待できます。AI機能を活用するクリエイティブワークにも適した仕様となっており、動画編集や3Dモデリングなどの用途でもその性能が発揮されるでしょう。

メモリ容量と帯域幅の進化
RTX 5070 Tiのメモリ仕様は、RTX 4080やRTX 4070 Ti SUPERと同じ16GB GDDR7(256-bit)を採用しており、メモリ帯域幅の向上によって、より高速なデータ処理が可能になっています。一方で、RTX 4070 Tiは12GB GDDR6X(192-bit)となっており、RTX 5070 Tiの方がより大容量で広帯域のメモリを搭載している点が強みです。特に、VRAMを大量に消費する最新のAAAタイトルや高解像度テクスチャの処理において、RTX 5070 Tiはより快適なゲーム体験を提供できるでしょう。
消費電力(TDP)
RTX 5070 Tiの消費電力(TDP)は285Wで、RTX 4070 Ti SUPERやRTX 4070 Tiと同じですが、RTX 4080の320Wと比較すると約11%の省電力化が図られています。これにより、高性能を維持しながらも電力効率が向上し、発熱の抑制にも寄与します。最新アーキテクチャ「Blackwell」により、性能と電力面から優れたパフォーマンスの貢献が見られます。
まとめ
RTX 5070 Tiは、RTX 4080にはわずかに及ばないものの、RTX 4070 Ti SUPERやRTX 4070 Tiと比較すると、CUDAコア数の増加、最新の第4世代RTコアによるレイトレーシング性能の向上、第5世代TensorコアによるAI処理能力の強化など、多くの面で進化を遂げています。
特に、AI演算性能はRTX 4080の約1.8倍、RTX 4070 Tiの約2.2倍に達しており、DLSS 4を活用したゲームやクリエイティブ用途において、その恩恵を大きく受けることができます。また、RTX 4080よりも省電力設計であり、高性能ながらコストパフォーマンスに優れた選択肢として、次世代GPUの導入を考えているユーザーにとって非常に魅力的なモデルと言えるでしょう。
ハイエンドGPUの選択
ハイエンドGPUは、単純に「これが最も優れている」と決められるものではなく、それぞれのモデルに異なる魅力があります。性能、用途、予算などによって、最適な選択肢は人それぞれ異なります。そのため、RTX 5070Tiが本当に必要なのかを見極めることが重要です。
ここでは、RTX 5070Tiをおすすめな人と、逆におすすめしない人について詳しく解説します。
おすすめの人
RTX 5070 Tiは、ミドルハイレンジのGPUとして高いパフォーマンスを発揮し、以下のようなユーザーに最適です。
高性能・良環境を求めるゲーマー
RTX 5070 Tiは、最新ゲームを快適にプレイしたい人に向いています。
- 1440p解像度で高フレームレートを維持したい
- レイトレーシングやDLSSを活用して美しい映像表現を楽しみたい
- 高リフレッシュレートのゲーミングモニターを活かしたい
クリエイティブ作業もこなしたい人
RTX 5070 Tiはゲーミングだけでなく、クリエイティブ用途にも適しています。
- 動画編集や3Dレンダリングをスムーズに行いたい
- AIを活用した画像処理や機械学習を試したい
- ゲーム実況やライブ配信を高画質で行いたい
コストと性能のバランスを重視する人
RTX 5070 Tiは、ハイエンドモデルほど高価ではなく、コストと性能のバランスに優れています。
- RTX 5080や5090ほどの予算はないが、高性能なGPUが欲しい
- コスパの良いゲーミングPCを組みたい
- 今後数年間は快適に使えるGPUを探している
おすすめしない人
逆に、以下のような人にはRTX 5070 Tiはおすすめできません。
価格を抑えてPCゲームをしたい人
RTX 5070 Tiは高性能ですが、予算を抑えたい場合には他の選択肢もあります。
- フルHD(1080p)解像度で十分な人はRTX 5070やRTX 40シリーズも選択肢
- コストパフォーマンスを重視するなら、もう少し安価なモデルを検討すべき
最高性能の環境を求める人
RTX 5070 TiはハイエンドGPUですが、フラグシップモデルには及びません。
- 4Kゲーミングや最高設定で快適に楽しみたいならRTX 5080や5090が適している
- レイトレーシングを最大限に活用し、最高水準のパフォーマンスを求める場合には不安
電力消費や発熱を抑えたい人
RTX 5070 Tiは高性能な分、最大消費電力も大きくなります。
- 省エネ重視ならRTX 4060系などのGPUも選択肢
- 発熱が気になる場合、冷却性能の高いPCケースやクーラーが必要
まとめ
RTX 5070 Tiは、ゲーマーやクリエイターにとって魅力的な選択肢ですが、予算や用途によっては他のモデルの方が適している場合もあります。自分の目的に合ったGPUを選び、快適なPC環境を整えましょう。
RTX 5070Tiは、高いパワーを誇るミドルハイGPUですが、すべての人にとって最適な選択肢とは限りません。自分の用途や予算に合わせて、適切なGPUを選ぶことが大切です。最高の性能を求めるならRTX 5090、コストパフォーマンスや用途を考慮するならRTX 5070やRTX 40シリーズを探すという選択肢もあるでしょう。
最終的な選択は、PC構成や予算、ゲームや作業の要件、将来のアップグレードの可能性などを考慮しながら行うべきです。各モデルの特徴や性能を詳しく比較し、自身のニーズに最もマッチするモデルを選ぶことが重要でしょう。
最後に
RTX 5070Tiは、新しい「Blackwell」アーキテクチャを採用し、前世代のRTX 40シリーズと比較して、CUDAコア数の増加、RTコア・Tensorコアの進化、GDDR7メモリの採用といった大幅な性能向上を遂げています。特に、AI処理性能の強化によるDLSSの進化や、レイトレーシング性能の向上は、次世代ゲームやクリエイティブ用途において大きな恩恵をもたらします。
とはいえ、RTX 50シリーズの価格は高めに設定されているため、購入を検討する際には、自身の用途や予算に合わせて適切なモデルを選ぶことが重要です。特に、ゲームを快適に楽しみたい方には、RTX 5070Tiなどのミドルハイグラフィックボードは魅力的な選択肢の1つでしょう。
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Source:
https://www.nvidia.com/ja-jp/geforce/graphics-cards/50-series/
https://www.nvidia.com/ja-jp/geforce/graphics-cards/40-series/