RTX 4060Tiを解説!
Nvidiaが誇るミドルクラスGPU、『Nvidia GeForce RTX 4060Ti』が登場しました。過去人気のグラボであった「60Ti系」の後継機の為、「RTX 4060Tiってどんな感じ?」「性能や価格とかはどうなの?」など疑問を持つ方も多いと思います。
この記事では RTX 4060Ti の仕様や価格比較、使用時のゲーム環境について確認していきたいと思います
RTX 4060Ti の仕様比較
では「RTX 4060 Ti」のスペック仕様について詳しく確認していきます「RTX 4060 Ti」 の仕様は以下の通りです。また比較として従来機の「GeForce RTX 3060 Ti」の性能仕様についても確認します。
RTX 4060Ti | RTX 3060Ti | |
---|---|---|
CUDAコア | 4352 | 4864 |
ベースクロック | 2.31 GHz | 1.41 GHz |
ブーストクロック | 2.54 GHz | 1.67 GHz |
Shaders | 22 TFLOPS | 16 TFLOPS |
RT Cores | 34 | 32 |
Tensor Cores | 136 | 130 |
メモリ | 16 GB GDDR6 / 8 GB GDDR6 | 8GB GDDR6 |
メモリパス幅 | 128 bit | 256 bit |
TGP | 165 or 160W | 200W |
公式価格 | ¥ 69,800 / ¥ 88,800 | ¥ 59,980 |
販売価格 | 約6.9万円~ | 約5.3万円~ |
では、これらの要件を基に、「RTX 4060 Ti」と「RTX 3060 Ti」の性能仕様について、性能面・価格面・機能面を比較していきます。
性能面
まずは性能面での比較です。
RTX 4060Tiは4352のCUDAコアを搭載しており、ベースクロックは2.31 GHz、ブーストクロックは2.54 GHzとなっています。一方、RTX 3060Tiは4864のCUDAコアを持ち、ベースクロックは1.41 GHz、ブーストクロックは1.67 GHzとなっています。RTX 3060TiとRTX 4060Tiと比較すると、CUDAコアの数はRTX 4060Tiの方が少し低いですが、クロックスピードはRTX 4060Tiの方が1.5倍以上高い数値を示しています。
Shadersに関しては、RTX 4060Tiが22 TFLOPSであり、RTX 3060Tiが16 TFLOPSとなっています。仕様に記載されているShaders(TFLOPs)は演算性能を表す指標であり、高速で効率的な演算に関係します。したがって、RTX 4060TiはShadersのスコアでも優位性をもっています。
さらに、RTX 4060TiはRT CoresとTensor Coresの性能も優れています。RT CoresとTensor Coresの性能も優れています。RT Coresは、RTX 3060Tiが32に対し、RTX 4060Tiが34です。Tensor Coresに関しても、RTX 3060Tiが130に対し、RTX 4060Tiが136となっています。これによりRTX 4060Tiは、リアルタイムレイトレーシングや機械学習などのタスクにおいて、より高いパフォーマンスを発揮します。
以上の性能面の比較から、RTX 4060Tiは一般的なゲーミングやクリエイティブな作業に十分な性能を提供します。CUDAコアの数やクロックスピードの高さ、ShadersやRT Cores、Tensor Coresの性能の面でも優れているため、高品質なグラフィックス処理やデータ処理を求めるユーザーにとって魅力的な選択肢と言えるでしょう。
価格面
次に価格面での比較です。公式価格としては、RTX 4060Tiは69,800円または88,800円、RTX 3060Tiは59,980円となっています。また実販売価格は市場の需給や販売時期によって変動するため、参考程度にご覧ください。現時点での実販売価格は発売開始直後ということもあり、従来のミドルハイクラスに近い価格帯に位置しており、60番シリーズのミドルクラスというイメージからはやや外れています。
コスパ(コストパフォーマンス)を考慮する際には、Shadersスコアを価格で割った値を参考にすることがあります。それぞれのグラフィックスカードにおいて、公式価格と実販売価格で計算したShaders÷公式価格とShaders÷実販売価格の値は以下の通りです。
Shaders÷公式価格 | Shaders÷実販売価格 | |
---|---|---|
RTX 4060Ti | 3.15 TFlops/1万円 | 約3.18 TFlops/1万円 |
RTX 3060Ti | 2.67 TFlops/1万円 | 約3.02 TFlops/1万円 |
RTX 4060Tiの場合、Shaders÷公式価格は約3.15 TFlops/1万円、Shaders÷実販売価格は約3.18 TFlops/1万円となっています。これは、1円あたりのShadersが高いことを示しており、性能と価格のバランスが良いと言えるでしょう。
一方、RTX 3060TiではShaders÷公式価格が約2.67 TFlops/1万円、Shaders÷実販売価格が約3.02 TFlops/1万円となっています。公式価格に対してはやや低いですが、投稿時点の実販売価格を考慮すると高いコストパフォーマンスが得られます。
以上の結果を総合的に考慮すると、RTX 4060Tiがコストパフォーマンスの面で優れた選択肢となります。ただし、このShader÷価格の比較は要素のみを考慮したものであり、他の機能や個々のユーザーのニーズは含んでおりません。より価格を抑えたグラフィックボードが欲しい場合など、RTX 3060Tiが選択肢に入る可能性は十分あります。
機能面
最後に、メモリ容量やメモリパス幅、TDP(熱設計電力)などの機能面について比較していきます。
RTX 4060Tiは16 GBのGDDR6または8 GBのGDDR6メモリと128 bitのメモリパス幅を持ち、TGPは165または160Wです。これにより、一般的なゲーミングやクリエイティブな作業において十分なパフォーマンスを提供します。大容量のメモリと高速なメモリパス幅により、高解像度のテクスチャや複雑なシーンの処理において効果を発揮します。
一方、RTX 3060Tiは8 GBのGDDR6Xメモリと256 bitのメモリパス幅を備え、TGPは200Wです。これにより、より高い処理能力が求められるタスクや高解像度のゲームにおいて、滑らかでリアルな映像体験が可能です。大容量のメモリと広いメモリパス幅により、複数のタスクや大規模なデータ処理においても効率的な作業が行えます。
両モデルともに、TDPの値は消費電力の目安となります。RTX 4060TiのTGPが165または160Wである一方、RTX 3060TiのTGPは200Wです。これにより、電力消費と冷却の面で異なる要件があります。TGPが低いほど電力効率が高く、冷却の要求も比較的低くなります。
以上の機能面の比較から、RTX 4060Tiは高いメモリ容量と良好なメモリパス幅を持ちながら、消費電力を抑えた設計となっています。一方、RTX 3060Tiは高い処理能力と大容量メモリ、広いメモリパス幅ですが、消費電力はやや高めです。
RTX 4060Ti と性能の近いグラボは?
ではRTX 4060Tiを従来機と性能を比較し、より性能の近いグラフィックカードを確認します。
RTX 4060Ti | RTX 3080 | RTX 3070 Ti | RTX 3070 | RTX 3060Ti | |
---|---|---|---|---|---|
CUDAコア | 4352 | 8704 | 6144 | 5888 | 4864 |
ベースクロック | 2.31 GHz | 1.44GHz | 1.58 GHz | 1.50GHz | 1.41 GHz |
ブーストクロック | 2.54 GHz | 1.71GHz | 1.77 GHz | 1.73GHz | 1.67 GHz |
Shaders | 22 TFLOPS | 30 TFlops | 22 TFlops | 20 TFlops | 16 TFLOPS |
メモリ | 16 GB GDDR6 / 8 GB GDDR6 | 10GB GDDR6X | 8GB GDDR6X | 8GB GDDR6 | 8GB GDDR6 |
メモリパス幅 | 128 bit | 320bit | 256bit | 256bit | 256 bit |
TGP | 165 or 160W | 320W | 290W | 220W | 200W |
公式価格 | ¥ 69,800 / ¥ 88,800 | ¥ 109,800 | \ 89,980円 | ¥ 79,980 | ¥ 59,980 |
販売価格 | 約6.9万円~ | 約9.3万円~ | 約7.5万円~ | 約7.0万円~ | 約5.3万円~ |
上記の仕様を見ると、「RTX 4060Ti」が「RTX 3070」や「RTX 3070 Ti」と性能や価格面で最も近い特徴を持っています。しかし、電力効率の面ではRTX 4060Tiの方が優れています。性能や価格を考慮すると、RTX 3070系との選択になるかもしれませんが、電力効率の大きな差を考えると「RTX 4060Ti」を選ぶ方が多いでしょう。
一般的に、「RTX 〇〇70系」はミドルハイクラスのグラフィックカードに分類されます。一方、今回の「RTX 4060Ti」はミドルクラスの60番系に分類されます。投稿時点では、「RTX 4060Ti」は従来のミドルハイクラスとほぼ同等の性能と価格を持っていることに留意してください。
RTX 4060Ti のゲーム使用
先程、RTX 4060Ti は RTX 3000シリーズのミドルハイモデルと近い性能ということがわかりました。では実際にどのような使われ方をしていくのかについて確認していきます。RTX 4070Ti のゲームでの使用イメージとしては以下の通りです。
この記事でのゲーム負荷中位クラスは、コンシューマー機(PS5など)でも実装されている人気ゲームと考えて下さい(Fortnite,Apexなど)。この辺りの人口の多いゲームでは144fps以上が安定します。その為、モニターもリフレッシュレート144Hzのもの、もしくは240Hzのモニターが欲しくなります。
また、オープンワールド系などの高負荷ゲームにおいても、60fps以上出すこともそこまで難しくありません。その為今まで重めのゲームと言われていたゲームでも、敷居が低く感じると思います。
RTX4060Tiは、軽負荷~高負荷ゲームまで、多くのゲームを遊べる性能と言えるでしょう(設定を工夫する必要の可能性有)。
総評
総評として「RTX 4060Ti」は、従来のミドルハイクラスに匹敵する性能を持ちながら、電力効率の向上を実現した高性能グラフィックカードです。
BTOサイトでの取り扱いも始まっており、そこでは RTX 4060Ti 搭載で10万円台中盤のゲーミングPCも確認されています。以下記事にて相場より安いおすすめゲーミングPCをまとめてますので、興味のある方はご確認ください